被せ物が外れたまま置いておくと…
みなさん、被せ物の脱離(外れること)を
経験したことはありませんか?
まだ痛みがないから大丈夫でしょ、
そんな気持ちで放置しておくと大変なことになってしまいます。
一般的に保険内で可能な被せ物には、CR(白い詰め物)、
インレー(金属の詰め物)、FMC(金属の被せ物)などがあります。
日々のケアやむし歯に対する抵抗性などで個人差はありますが、
被せ物の平均寿命は約4〜5年程度と言われています。
二次的なむし歯、歯牙の破折、セメントの劣化などが
理由としてあげられます。
このような理由で脱離してしまった歯を放置しておくと、
むし歯が進行したり、脱離した歯が隣の歯に寄ったり、
向かいの歯が伸びてきたりといったことが起こります。
一般的に脱離している状態では、象牙質が露出している、
食渣が溜まりやすい、プラークが付着しやすいといった理由で
むし歯が進行しやすい状態にあります。
いくつか症例を見てみましょう。
被せ物が外れたまま長い間放置していたとのこと。
上から見ると一見なんともないよう見えますが、
横から見ると土台と歯質の境目からむし歯になっています。
ここにはブリッジが入っていましたが、
外れて放置していたそうです。
青の歯はむし歯が深く進行しているため、抜歯。
黄色の歯は軽度のむし歯のため治療が必要になります。
むし歯の進行状態がひどければ、本来であれば簡単な治療で
済むところが神経をとる治療となり、
さらにひどければ抜歯となる可能性もでてきます。
歯が動いてしまったり、向かいの歯が伸びてきてしまったりすると、
適切な歯のスペースを確保するために隣の歯や向かいの歯を
削る必要もでてきます。
一日放置するだけでも歯は簡単に移動してしまいますので、
早期に受診されることをお勧めします。
早期の受診により、治療が必要とならず
再装着することが可能なケースもありますので、
自己判断せずすぐにかかりつけの歯科医に連絡しましょう。