被せ物が外れたまま置いておくと…

2020.09.28

みなさん、被せ物の脱離(外れること)を

経験したことはありませんか?

 

まだ痛みがないから大丈夫でしょ、

そんな気持ちで放置しておくと大変なことになってしまいます。

 

 

一般的に保険内で可能な被せ物には、CR(白い詰め物)、

インレー(金属の詰め物)、FMC(金属の被せ物)などがあります。

 

日々のケアやむし歯に対する抵抗性などで個人差はありますが、

被せ物の平均寿命は約4〜5年程度と言われています。

二次的なむし歯、歯牙の破折、セメントの劣化などが

理由としてあげられます。

 

 

このような理由で脱離してしまった歯を放置しておくと、

むし歯が進行したり、脱離した歯が隣の歯に寄ったり、

向かいの歯が伸びてきたりといったことが起こります。

 

一般的に脱離している状態では、象牙質が露出している、

食渣が溜まりやすい、プラークが付着しやすいといった理由で

むし歯が進行しやすい状態にあります。

 

 

いくつか症例を見てみましょう。

 

被せ物が外れたまま長い間放置していたとのこと。

 

上から見ると一見なんともないよう見えますが、

横から見ると土台と歯質の境目からむし歯になっています。

 

 

 

ここにはブリッジが入っていましたが、

外れて放置していたそうです。

青の歯はむし歯が深く進行しているため、抜歯。

黄色の歯は軽度のむし歯のため治療が必要になります。

 

 

むし歯の進行状態がひどければ、本来であれば簡単な治療で

済むところが神経をとる治療となり、

さらにひどければ抜歯となる可能性もでてきます。

 

歯が動いてしまったり、向かいの歯が伸びてきてしまったりすると、

適切な歯のスペースを確保するために隣の歯や向かいの歯を

削る必要もでてきます。

一日放置するだけでも歯は簡単に移動してしまいますので、

早期に受診されることをお勧めします。

 

早期の受診により、治療が必要とならず

再装着することが可能なケースもありますので、

自己判断せずすぐにかかりつけの歯科医に連絡しましょう。